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コールマン セルフィー マルチスタンド ロングを買ったけども

コールマン(ベルボン)の「マルチスタンド ロング」(型番:CVSMSLBK)を購入した。

最近は三脚関連をLeofotoで固めており、Velbonは久しぶりの購入である。2020年にVelbonはハクバ写真産業に吸収されてしまっているが、私が買ったものでは合併吸収後の製品で初めてである。

結論から申し上げるが、微妙だ。なぜ微妙なのかをお伝えしていく。

なぜ購入したか

さて、狭いニーズであるのは重々承知なのだが、個人的な用途として「カメラを水平に立てて連続撮影したい」という需要がある。つまり「雲台はいらないから水平に立てる」だけの物が欲しいのだ。

載せるものは基本的にはα6000系にレンズ1本なので、そこまで大げさなものはいらない。とは言いつつもライトな三脚一脚はスマホ用ばかりでミラーレスなんて載せたらお辞儀するか倒れるかは容易に想像ができる。

カメラバッグに収まってほしいということもあり、速写性は劣るもののウルトレックシリーズを愛用していた。

このニーズを実現するにあたっては「一脚+一脚用の足」や「ミニ三脚+延長ポール」などが考えられるが、正直カメラバッグへの収まりが悪く、持ち運びに難儀していた。特に短めの一脚で石突をオフィシャルに外して脚を接続することを想定しているものは非常に少なく、過去ベルボンが出していた「ウルトラスティック セルフィー」ぐらいだと思う。

そんな中、昨年11月(?)にひっそりと(公式のリリースはないようだ)コールマンブランドとVelbonインラインからそれぞれ「マルチスタンド ロング」が発売されていた。この商品、畳むと一本の棒になるタイプの三脚(一脚?)で、全長はカタログスペックで350mm程度。一本の棒になることから直径もφ35mm程度とちょうど求めていたサイズ感でビビッときたので、例によって還元率マシマシのタイミングを狙い、PayPayモールで購入してみた。なお、購入したのはコールマンブランドのほうで、ベルボンブランドのほうは取り扱いがなかった。両者の違いはロゴの有無と付属品が違うようだ。

購入前の下調べではこの商品を取り上げているブログは皆無で、唯一モノレビュー系のYoutuberがレビューしてくれていたのだが、なかなか判然としなかった「これなら買わなかったかも」な仕様についてお伝えしようと思う。

まあ、そもそも公式サイトにリリースもなければ写真もないのが一番の問題だと思うのだが。

(そのレビュー動画。直接私と関係はありません)

本体と付属品について

以下、写真とともにメーカー画像ではわからない微妙さをしっかりお伝えしていく。

付属品は写真の通り本体、三脚ネジが切ってあるスマホホルダーと説明書件保証書。収納袋はついていない。ベルボンブランドのほうで買えばついてくるようだ。

なお、足部(ベルボンロゴの入っている切れ目より下)は金属製だが、ベルボンおよびコールマンのロゴが入っている円筒部はプラスチックである。ちょっと安っぽい。

つまり、下記の表の通り。(2022年3月1日現在)

本体 収納袋 スマホホルダー
ベルボン VUSS-1 なし
コールマン CVSMSLBK なし

実使用レビューと「微妙」の理由

脚を広げるとこんな感じ。ロック機構があり底面中心にあるPUSHスイッチを押下すると開く構造。高さの調整はベルボンお得意のウルトラロックになっている。

開いてカメラを乗せるととこんな感じである。実はここで違和感に気付いた。

ここまで拡大するとどうだろうか。カメラの側蓋が開いていることに気づいたが撮り直してはいません。

これがカメラ取り付け(雲台)部の拡大写真。見ての通り、1wayタイプのヒンジが付いている。

……そう、ただの棒ではないのだ。しかもこのヒンジ、取り外しはできないし見ての通りネジ類もないので硬さの調整も不可。ある程度強いモーメントがかかると完全にお辞儀してしまう。

α7IV + SEL24105Gあたりだと全く保持できない。無論、メーカースペックは推奨積載重量が500gなので文句は言えないのだが。

更に困ったことに、このヒンジの向きが三脚の足と噛み合ってない。三脚を正面に立てたときにヒンジの向きが相対せず、左右に来てしまうのだ。しかも、直角ではない微妙な角度。力のかかる方向に脚の向きを合わせることが出来ないのだ

図に直すとこんな感じであるが、微妙に右手前に傾いている。いわゆるナットロックではなくベルボン独自の「ウルトラロック」を採用してしまっているため、向きの調整はできない。

ここで「ちょっと待て、そのヒンジの向きとカメラのネジ穴の深さが噛み合わなかったらどうなる?」とお気づきの人もいるだろう。これについてもまた微妙な仕様で「雲台のベース部がバネで押し上がっていてその圧力で固定する仕様」となっている。写真で言うとこんな感じだ。

このバネのテンションを用いることで、ヒンジの噛み合う向きでカメラのねじ込みを止めても固定されると行った寸法だ。これもまた当然バネの交換なんか出来ないわけだし「微妙だなあ」と思うのは仕方のないことだと思う。

個人的な結論としては、小さなアルカスイスクランプを着けて運用する予定である。なお底面部はφ30mm程度である。

最後に

過去に出て今は廃盤となってしまった「ウルトラスティック セルフィー」は自由雲台がついていてこの辺うまく調整できたんだけど、それ以上になんとも微妙な感じになってしまっている。「セルフィー」もまた雲台が外せない謎仕様なのだが。

製品自体の組み上げはそこそこ上質で、バリもなければ質感自体は問題ない。軽いものであればしっかり役目を果たしてくれるため、「小さくまとまるスタンド一脚」がほしいというニーズの6割ぐらいは満たせると思う。

しかしながらヘビーユーザー的には、ただネジ穴を切ってくれればそれでいいのに取り外しもできない一体型のヒンジを仕込むなんて……余計なことをするベルボンは相変わらずなのかな、と思いましたとさ。

 

    

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