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Synology DS1621+導入レビュー

DS1621+――SynologyのNASだ。2020年9月下旬にプレスリリースされ、日本ではアスクが代理店として109,500円をターゲットプライスとして売られている。MSRPが$799.99なので、今のドル円レートにすると83,000円程度なので流石はアスク税と思うものの、国内代理店品を購入した。なお、なぜかヨドバシ.comだと222,120円をつけており、どんな仕入れルートなんだ?と思ったりもするものの今回はApple専門店 キットカットで購入した。
なぜ買い替えたのかとかそういうのはまた別のところに書くとして、今回は調べてもわからず買ってから判明したことや買う前からある程度予測をつけていてそのとおりだったことについて答え合わせをしていきたい。 (最終更新2021.4.18)

パッケージなど

今回購入したApple専門店 キットカットからは「めっちゃ海外から来ました」というテイストで到着した。台湾からの荷物でUPSで国際輸送されてきたようだ。

箱を開けると箱on箱。まあわかっていたことだけども。

内容物は本体の他に、Cat5eのLANケーブル2本(固いし使うことはなさそう)、3pin電源ケーブル、2.5インチHDD/SSD用のミリネジ、HDDトレイの固定キー、かんたんなマニュアルとなっていた。

本体の写真は置いておいて、早速だがNAS弄りをする人にとって気になるところを検証していこう。

 

メモリについて

メモリは本体底面のハッチを開けてアクセスする。

DS1621+はRyzen V1500Bというプロセッサを積んでおり、組み込み向けということもあってECCサポートのプロセッサであるため当初搭載されているメモリは下の写真にある通りDDR4-2666の4GBECCメモリーである。見ての通り2スロットあるが、出荷状態では1スロットに4GBが1枚刺さっている。


発表時日本の某それ系BlogではECCじゃないメモリも搭載可能だろうという情報がありつつも、メーカーであるSynology公式サイトの記述Compatibility Listを参照したところECCじゃないメモリをサポートしているような説明や実態はなく、実際に試してみるまでは動作するかどうか半信半疑であった。
とはいえいわゆるx86系であるRyzenなので、意地悪な形で締め出しの実装でもしない限りnon-ECCなメモリも搭載できるだろうと思い、MicronのDDR4-2666 non-ECC 8GBのSO-DIMMを2枚用意しておいて投入したところ実際に問題なく動作した。(なお、手元のマシンで丸一日じっくりとmemtestを回したものである)

16GBで認識するnonECCメモリ
上記のDSMのスクリーンショットの通り、問題なく8GB×2の16GBとして認識している。後述するPCI-Expressカードで他社カードが使えないようにキッチリ制御されていることを考えると、non-ECCメモリはたまたま使えてラッキーというレベルなのかもしれない。

 

HDDの温度について

QNAPやASUSTORのSOHOモデル程度までに見られる前面が目隠しプレートで覆われていて、筐体下部もしくは側面より吸気をするNASと比較して、SynologyのNASはPlusシリーズ以降は前面にHDDトレイが見えるタイプでトレイ間の隙間もかなり多め。背面ファンは12cmでありそれなりの風量が隙間から流れる。HDDの温度にどれだけ寄与しているのかは計測し辛いところだが、精神衛生上はかなり嬉しい。掃除はそれなりにしなければならない気がするが。

 

M.2スロットの位置

M.2_Slot

M.2スロットは本体前面から見て一番左のHDDスロット、システム上1スロットの内側左側面に2つ並んだ状態で配置されている(写真左部、一枚だけ挿入されている状況だ)。そのため、HDDトレイを外して装着することになるし、ヒートシンクなんかがついているとHDDと干渉することは避けられない。
エアフローはそれなりにあるところだが、気になる場合はHDDを2~6の5スロットで面倒を見るといいかもしれない。

 

互換性のないPCI-Expressカードについて (QNAP QXG-10G1T)

このSoC(だと思う)はECCメモリのサポートやOn-Chipでの10GbEなどを搭載している。しかしながらDS1621+では10GbEは標準搭載ではなく、オプションで貴重な1本しか無いPCI-Expressのポートを潰し拡張カードを刺さなければいけないことについては制限かけられてるなあと思う。
さて、Synologyの10GbE(RJ-45)拡張カードはE10G18-T1という型番で、なぜかJoshinのみ16,580円で売っているものの市価は2万円を超え10GbEのカードとしてみてもかなり高い。それでいてWindowsやLinuxでの動作も保証しておらず、採用チップセットの型番も不明とかなりの不親切仕様。QNAPの同じく10GbEカードQXG-10G1TはWindowsやLinuxでの動作も謳っており、それと比較すると真逆の思考回路だ。

ものは試しと手元のQXG-10G1Tを装着。


もちろん気になるのは動作するかどうかだが、結論から言うと認識しなかった。もちろんSSHで接続してコマンドラインで弄ったりして深堀りしなさいよという話はあるのだが、QXG-10G1Tはそれはそれで使い道があるので、素直にE10G18-T1を購入することに。後日到着したそれを装着したところ、Compatibility Listにもある通りもちろん一発認識。E10G18-T1が採用しているチップが何かというとヒートシンクがあるので基板上からは見えなかったが、RJ45の端子にはAquantiaのロゴが。これほぼ同じカードだろう……と納得いかない心を押し込みつつ、10GbE環境を構築していくのだった。

   

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